2023年05月30日

🎧公式Spotifyプレイリスト全曲解説❗今回は〈バッハ『ゴルトベルク変奏曲』第20変奏〉です。

ピアノの悪魔と恋する剣士①

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第1番「重苦しく、ときに激情をもって」より

Track.2 : バッハ 『ゴルトベルク変奏曲』第20変奏 グレン・グールド

「複数のメロディを重ねて、それが上手いことハモる」という音楽の作り方を、『対位法』といいます。バッハはこの対位法にとてもこだわった作曲家で、グレン・グールドというピアニストはバッハのそういうところが大好きだったようです。

バッハの時代、まだピアノという楽器はできたばかりで、今のように『楽器の王様』というほど普及していませんでしたから、バッハは「ピアノのための」音楽というものを作曲していません。また、グールドがこの録音をリリースした1955年当時は、バッハの音楽は禁欲的でピアノの華やかな音にはあまり合わないと思われていたみたいです。

ところがグールドはそれをおして、この『ゴルドベルク変奏曲』でCDデビュー。するとジャズの大スター、ルイ・アームストロングの新譜を抜いて、チャート1位を獲得し、それまでほとんど注目されていなかったこの音楽と共に、スターダムにのし上がりました。グールドは1981年、この曲を再録音し、その翌年この世を去りました。これによって、ゴルドベルク変奏曲は、グレン・グールドのピアニスト人生を縁取る代表的な楽曲になっています。

今回は、より若々しく野心溢れる1955年版を、本作の主人公、獰猛な天才ピアニスト呉島勇吾に重ねてチョイスしました。

ピティナによる楽曲解説
Bach, Johann Sebastian:Goldberg-Variationen Aria mit verschiedenen Veränderungen G-Dur BWV 988



バッハ:ゴールドベルク変奏曲(55年モノラル録音) / Glenn Herbert Gould

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