2023年06月27日

🎧公式Spotifyプレイリスト全曲解説❗今回は〈プロコフィエフ『戦争ソナタ7番』〉です。

ピアノの悪魔と恋する剣士①

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第4番「荒々しく、そして迷いなく、まっすぐに」より

Track.19-21 : プロコフィエフ『戦争ソナタ7番』ウラディーミル・アシュケナージ

本文にも書きましたが、プロコフィエフが書いたピアノ・ソナタのうち、第二次世界大戦中に書かれた6番、7番、8番が『戦争ソナタ』と呼ばれています。ちょっと誤解を生みそうな呼び方ですが、戦争の影響はあったにせよ、戦争そのものを描いているというわけではないようです。

さて、著者は、あまりクラシックに馴染みのない方にも分かりやすいようにこの文章を書いているつもりなのですが、もしかすると、この音楽を聴いて「うわ、イヤだな」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。調性(ハ長調とか、イ短調とか)から離れていく音楽で、しかもプロコフィエフは作曲にあたって「グロテスク」というのをテーマの一つにしていたようですので、あまり耳に馴染みのない響きがすると思います。

この曲は近代音楽の入門としておすすめしたい曲ではありますが、これを聴いたあなたがこの曲を好きにならなかったとしても、それは全然悪いことではありません。私がちょっぴり悲しいだけです。難しい音楽が好きだということは、ちっとも偉いことではありませんし、逆に悪いことでもないと著者は思っています。

演奏はウラディーミル・アシュケナージ。この曲がどんな音楽か分かりやすい音源はこれではないか、という観点で選びました。「この曲のスタンダードはどういう演奏だろう?」と思ったらまずこの人。というイメージを持っています。

おすすめは3楽章なのです。ピアニストによっては、全速力でカオスに突っ込んで行くような演奏もあって、それはそれでカッコいいので、もし気に入ったら聴き比べてみると面白いかもしれません。

ピティナによる楽曲解説
Prokof’ev, Sergei Sergeevich:Sonata for piano No.7 B-Dur Op.83


PROKOFIEV: PIANO SONATAS 6, 7 & 8 / Jandó Jenő

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